当サイトで紹介する商品、サービス等の外部リンクにはアフィリエイト広告を利用しています

他人から「アメちゃん食べ」って実際にあるの?

大阪のおばちゃんは、いつもバッグにアメちゃんが入ってる。

テレビの番組とかでよく見るやつ。

大げさじゃなくて、これ本当にあるある。

アメちゃんだけじゃなく、ガムとかフリスクとか小袋入りの菓子とか。

いろいろバッグに忍ばせてる。

アメちゃん、ハンカチ、メンタムリップは三種の神器。

まぁ、おばちゃんじゃなく若いお嬢さんも、のど飴とかは持ち歩くだろう。

しかしおばちゃんは、やたらと人にあげたがる(差し上げる)。

お出かけしたとき友人に。

仕事に行けば職場の人に。

 

見知らぬ他人にも

テレビの番組でよくあるのは、道を訪ねた通行人に

説明はいまいちのおばちゃんが「アメちゃん食べ」と渡す場面。

「アメちゃん食べる?」ではなく「アメちゃん食べ」なのだ。

大阪のおばちゃんはイケイケドンドンなのだ。

しかしながら大阪生まれ大阪育ち、正真正銘大阪のおばちゃんである私は

見ず知らずの他人に「アメちゃん食べ」と言ったことはない。

言われたこともない。つい先日までは。

 

「アメちゃん食べ」に遭遇

その日は都会の駅前で娘と待ち合わせてた。

先に着いたのでベンチに腰かけボーっと待ってると

隣に座っていいか?と年配の女性が聞いてきた。

見た目からは70代後半くらいだろうか?(以下おばちゃんと呼ぶ)

少し横にずれて「どうぞ」と答えた。

そして腰かけたおばちゃんのトークライブの幕が上がる。

おばちゃんは映画鑑賞のため都会にやってきた。

上映時間まで時間をもてあまし疲れたそうだ。

犬を連れた人が多く、目の前を往来する。

おばちゃんは「うちにも犬がいる」と

スマホの中の愛犬お宝画像を披露しようとしてくれた。

なかば強制的に勧められ、のぞいたスマホの画面には

見知らぬ赤子の顔。

いくらスクロールしても赤子しかいない。

おばちゃんのお孫さんの写真だ。

やはり飼い犬より孫なのだろう。

しかし他人はどっちでもいい。なんならワンコ見たかった。

上映時間が近づいたので、おばちゃんとはお別れだ。

立ち上がったおばちゃんは、もう一度座りなおしバッグから

買ったばかりの封を切ってない袋を取りだした。

バリッと威勢よく袋を開け、アメちゃんをわしづかみ

私へ差し出した。

大切な映画のおともである、生姜のど飴をおしげもなく振る舞う。

これぞ大阪のおばちゃんの心意気。

決め台詞はもちろん

「アメちゃん食べ」

 

貴重な経験

60年近く生きてきて、はじめて見ず知らずの他人から

「アメちゃん食べ」と飴をもらった貴重な経験。

おばちゃんとの一期一会の時間は約20分くらい。

お孫ちゃんの写真を解説つきで見せていただき

実は上の空で「娘よ早く来い」と心から念じてた。

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です